米国・ニューヨークのウォール街では、日本円がフラジャイル(ぜい弱な)通貨になっているとの指摘が出ている。円相場の値動きが大きく、特に今年の7月〜9月は20円以上も変動した。ちょっとした理由でも大きく反応してしまうのが今の状況。金融業界では“フラジャイル通貨”といったことばがある。これは2013年に米国のモルガンスタンレーが命名したもので、5か国(ブラジル、インド、インドネシア、トルコ、南アフリカ)の通貨のことを呼ぶ。これらは新興国で、米国のFRBの金融政策によって下落しやすいといった共通点がある。三井住友信託銀行米州部・山下慎司氏は「かつて日本円はボラティリティー(変動幅)が非常に低かったが、今は金融政策が周回遅れで、為替介入もあって投機筋を含めた市場の注目が集まっている。1日に何円も動く状況が続いている意味でフラジャイルだ」とコメント。