女性が初めて事実婚を選択したのは1994年で、そのときは選択的夫婦別姓の導入の機運が高まっていたということもあって別姓待ちという形で事実婚にした。それが気づいたら30年も待っている。実害を被っている女性も多い。アイデンティティという面も大きいと思っている。30年も議論が滞っている中で、もうさすがに別姓を求める人の声に耳を傾けてほしい。日本人のほとんどが明治時代まで名字なんて持ってなかった。夫婦同姓が日本の歴史的文化と言われても私なんかは首をかしげざるをえない。選択的夫婦別姓というのは、夫婦同姓を否定するものではない。保守政治家の多くが夫婦別姓によって国の根底が覆されるとは思っていないと思う。なのに議論が進まない。一部、政治団体や宗教団体の組織票や家族票への未練が断ちきれないのだろう。名前を変えずに自分らしく生きたいと訴えている人たちの痛みについては、最大限努力して想像する必要がある。