山梨県の寺「耕雲院」で副住職を務めている河口智賢さん(46歳)は、寺の業務を担う傍ら、もう一つの顔がある。今月からラーメンのランチ営業を始めた。河口さんは「地方のお寺というのは過疎化と共に人が少なくなって、お寺離れというのが多くなっている。寺院がどんどん消滅していくという課題に一助となるような取り組みになればと」と話す。時代の移り変わりとともに深刻化する“寺離れ”。それを解決するため、河口さんが目をつけたのがラーメンだった。河口さんは、僧侶になるまで料理とは無縁だったという。しかし、修行の一環で精進料理を学び。いつしか料理教室を開くほどの腕前に成長した。そしてその後、“料理の知識を地域の人々のために役立てたい”と、1年かけて精進ラーメンを完成させた。河口さんは「地域とお寺のために今後、大事なことは、この地域に住む方々にもっとお寺というものを近く感じていただく、もっと足を運んでいただきやすくする、皆さんに親しんでいただけるようなものをやっていく必要があると思います」と話す。