市川正子さんは、20年前、当時16歳の息子・大輔さんをエレベーター事故で亡くして以来、12階の自宅までエレベーターを使わず、非常階段を昇り降りしている。2006年6月3日、大輔さんはマンションのエレベーターに乗り、12階で降りようとしたところ、扉が開いたままエレベーターが上昇し、大輔さんは体を挟まれて亡くなった。遺族は、エレベーターの製造元であるシンドラー社や保守管理会社などに大使、損害賠償を求め提訴。警視庁も捜査に乗り出し、シンドラー社の社員と保守管理会社の会長らが業務上過失致死の疑いで2009年に書類送検され、起訴された。いずれも2018年に無罪が確定している。市川さんは現在も事故があったマンションに暮らしている。自宅の玄関先には、大輔さんが事故に巻き込まれた際押していた自転車が置かれている。前カゴが大きく歪み、車輪は救出の際に切断されている。
事故後、国交省は、事故調査報告書を公表。扉が開いた状態でエレベーターのカゴが上昇した原因として、ブレーキの摩耗の進行などを挙げている。大輔さんの事故がきっかけとなり、法律も改正された。新設のエレベーターには、二重ブレーキの設置が義務付けられた。扉が開いたままカゴが動く戸開走行と呼ばれる事故は、ここ約15年で少なくとも20件発生。二重ブレーキを導入することで、何らかの異常でブレーキが利かない場合、独立した別のブレーキが作動し止められる。法改正前に設置したエレベーターには、設置義務がないため、普及が進んでいないという。2024年度の調査では、全国約77万台あまりのエレベーターのうち、二重ブレーキが設置されているのは39.5%となっている。専門家によると、設置には、300~500万円ほどの費用がかかり、自治体によっては補助金や助成金が出るが、普及促進には、国の支援が必要だという。国交省は、今年度から補助金の限度額を引き上げるなど、普及を目指している。事故を受けて、去年、港区役所内に、再発防止を誓う安全の碑が設置され、市川さんはほぼ毎日通っている。大輔さんの命日となったきのう、東京・港区で献花式が行われ、大輔さんが愛用していたバットやグローブなどが並べられた。
事故後、国交省は、事故調査報告書を公表。扉が開いた状態でエレベーターのカゴが上昇した原因として、ブレーキの摩耗の進行などを挙げている。大輔さんの事故がきっかけとなり、法律も改正された。新設のエレベーターには、二重ブレーキの設置が義務付けられた。扉が開いたままカゴが動く戸開走行と呼ばれる事故は、ここ約15年で少なくとも20件発生。二重ブレーキを導入することで、何らかの異常でブレーキが利かない場合、独立した別のブレーキが作動し止められる。法改正前に設置したエレベーターには、設置義務がないため、普及が進んでいないという。2024年度の調査では、全国約77万台あまりのエレベーターのうち、二重ブレーキが設置されているのは39.5%となっている。専門家によると、設置には、300~500万円ほどの費用がかかり、自治体によっては補助金や助成金が出るが、普及促進には、国の支援が必要だという。国交省は、今年度から補助金の限度額を引き上げるなど、普及を目指している。事故を受けて、去年、港区役所内に、再発防止を誓う安全の碑が設置され、市川さんはほぼ毎日通っている。大輔さんの命日となったきのう、東京・港区で献花式が行われ、大輔さんが愛用していたバットやグローブなどが並べられた。
