金融庁への出向中にインサイダー取り引きをした罪に問われている元裁判官の男の裁判で、東京地裁は男に懲役2年、執行猶予4年、罰金100万円などを言い渡した。元裁判官の被告は、去年4月から9月にかけて、出向先の金融庁の業務で知った未公開情報を基に、10社の株を合わせておよそ950万円で買いつけ、インサイダー取引をした罪に問われている。被告はこれまでの裁判で、起訴内容を認めていた。東京地裁はきょうの判決で、「裁判官として金融庁に出向していた被告が常習的に行った犯行で、金融商品市場の公平性、健全性、一般投資家の信頼を大きく損なうばかりか、金融庁の監督制度の信頼を大きく失墜させた」と指摘。「規範意識の欠落は甚だしい」とした。