きょうのテーマは「銀行の貸し出し、急増のワナ」。ピクテ・ジャパンの大槻奈那氏の解説。1月末の銀行貸し出しの伸び率は前年同月比で大手行で4.8%、地銀・第二地銀で5.8%で最大の伸び率となっている。現在の貸し出しの伸びの中身を見ると必ずしも良い面ばかりではない。過去5年間で不動産業、住宅ローンが貸し出し増加幅の60%を占めており、地域金融機関では91%を占めている。評価がしやすい不動産関係の貸し出しに頼らざるを得ない面がある。地価と住宅ローン残高の相関が高い。不動産価格は貸し出しの量に大きく左右されると疑えないところ。若年層で初めて住宅を買う方々にとって遠い所しか買えないなどの弊害が出てきて、少子化等の影響も出てくる可能性も否定できない。金融機関の預金額増加率は銀行、信用金庫ともにコロナ禍で一旦上昇したが、その後は低下している。貸し出しの原資は預金のため、伸びてこないと貸し出しにつながらない。銀行の純資産は貸出金の伸びに比べて伸びていない。銀行資産の平均リスクウエートは一時期に比べ下がっている。今年5月にスタートする「企業価値担保権」による新融資制度では不動産担保や経営者保証に過度に依存せず、事業の将来性に着目した融資を推進する。全国銀行協会は「中長期的な金融仲介の在り方」の検討会議を行い、近くまとめる予定。銀行の不良債権比率と与信費用比率を見ると低位で推移しており、銀行にもリスク管理をしつつ的確なアニマルスピリッツの情勢を期待したい。
