新潟からやってきたチームN岡高専は「僕たちの洗濯物干しが一番早いと思っているので、ぶちかますだけ」と話し、目標タイムを「3秒40」と掲げた。スタンバイの時間は5分。遡ること1ヶ月半前、新潟県長岡市。お題が示され、メンバーからは次々アイデアが出される。プロペラを取り付け、洗濯物干しをドローンのようにする。スピードを上げるためラジコン飛行機用の大きなプロペラを用意。上下に4枚つけて試作機を作る。プロペラを増やすと重くなる。チームをまとめる総合リーダー・安達慶哉はN岡高専5年生で、ずっとロボティクス部で活躍してきた。安達は1学年下の霜田をリーダーに任命した。競技の肝はスタートダッシュ。かつての競技「お掃除ロボット走り幅跳び」で自動車メーカーが見せたHO2ボンベのジェット噴射。ボンベに針を刺してガスで莫大な推進力を生む。試しにやってみるも、蓋が残って噴出の邪魔をすた。完全に突き破れる針を作る試行錯誤が続く。細い先端では突き破れない。プロペラの位置を変えてスピードアップを図る。霜田に励まされて部員たちがヒントを探す。針のパワーを上げるには重さが重要となるため、重さを3倍にした。噴射テスト29回目、腕が持っていかれるほどの勢いで噴射に成功。ジェットとプロペラが一つになる。一時的に部に復帰した小林は「機械をいじったり作ったり、自分の一番好きなことなので、このチャンスを逃したら一生やらなくなっちゃいそうだから」と語る。スタートスイッチでフライング防止のホールド機構が解除、ジェットとプロペラで一気にスタートダッシュ。そして会場ではスタンバイ完了。N岡高専のタイムがここからの基準となる。スイッチを入れたがジェット噴射が発動せず、記録なしとなってしまった。ホールドを解除するモーターが動かなかった。