アメリカのカトリック系メディアによると、世界のカトリック教徒の数は、2022年で全世界約13億8900万人だという。欧州では減少傾向だという。2000年代、神父らによる児童らへの性的虐待と組織的隠蔽が発覚し、教会離れが進んだという。フランシスコ教皇は2013年に、初の南米出身の教皇として就任。性的虐待当事者に厳しい姿勢を見せ、人事改革にも取り組んだ。その結果、バチカン内の保守派と対立するようになった。教皇は、新たな枢機卿を多数任命し、コンクラーベで投票権のある135人のうち108人は、教皇が任命した。その6割以上を欧州出身者以外から選んだという。フランシスコ教皇の治世下で、枢機卿団は欧州らしさを失っていったという指摘もある。次期教皇の有力候補とされているのは、フィリピン出身のルイス・アントニオ・タグレ枢機卿。選出されれば、アジア初の教皇となる。アジアの信者は増えていることから、アジア圏での勢力拡大も期待されているかもしれない。もう一人の有力候補がイタリア出身のピエトロ・パロリン枢機卿。現在、バチカン市国の国務長官を務めていて、中国や中東諸国との外交交渉で重要な役割を果たしてきた。中国や中東での信徒開拓が期待されているかもしれない。萩谷は、トランプ政権が世界を揺るがすような状況になっている、多数者・強者が正しいとする考えは、ある意味では民主主義に沿うものだが、フランシスコ教皇は、そこから漏れた弱い人や苦しんでいる人に目を向け、寄り添ってきた、弱者に目を向けることを発信することで、民主主義の歪みを修復してくれる人が続いてくれるといいなどと話した。