島根県雲南市には1年を通して花火を作り、打ち上げている会社がある。花火師・平賀真人さんは、この道20年のベテランで1年を通じて30回程度島根県を中心に花火を打ち上げている。雲南市にある平賀さんの工房。花火の製造から打ち上げまでを一貫して行っているのは島根県ではここだけ。平賀さんが作業で大事にしているのが設計図。火薬の大きさや形重さなどを細かく記すことで自分の上げたい花火のイメージが明確になり美しい花火が上がる。平賀さんの花火にはある特徴がある。1か所ではなく同時に複数箇所から打ち上げるワイド演出。特に、空間に向かって斜めに打ち上げる扇状ななめ打ちは打ち方で形が大きく変わるため高い技術が必要。20年前、花火作りが盛んな長野県の花火会社に就職した。会社には、花火を作って打ち上げてほしいと島根県などほかの地域から依頼が来ることもあった。地方では花火会社の数が少ない所も多く島根県を代表する花火大会松江水郷祭でも県外の業者が打ち上げを担っている現状がある。平賀さんは地元の花火師が地域で打ち上げることにこそ意義があると感じている。島根県では唯一あった専門の花火会社が14年前に廃業しゼロに。平賀さんは、2016年に独立。あえて専門の花火会社がない島根県に会社を作り花火業界の現状を変えていくための一歩を踏み出した。出雲市で花火の展覧会を開き、花火玉の模型や花火の打ち上げに使う煙火筒などを展示した。大会当日。製造した花火がうまく開くのか実際はどう映るのか緊張の瞬間。