調査中盤、研究グループのリーダー、谷川主任研究員が合流し、湖底の堆積物を採取した。調査の成果を知らせるため、近隣住民への説明会が行われた。近年、水中災害遺跡を防災・減災教育に活用する動きが出ている。神奈川・根府川では関東大震災で駅や列車が海に崩落。全容を把握することで水中災害遺跡として教訓を後世に残すことを目指している。桧原湖の調査では、災害のメカニズムだけでなく、かつての宿場町での暮らしぶりにも迫ろうとしている。去年秋の調査では、桧原宿と金山の関係が浮かび上がった。水中ドレッジによってシルトが除去された湖底から、陶磁器の破片などが引き揚げられた。