物価上昇などにより年金支給が来月分から2.7%引き上げ。自営業らが受け取る国民年金は月額約6万6000円だったが、来月の支給から月額約6万8000円となる。厚生年金は夫婦2人のモデル世帯で月額約22万4000円だったが、来月の支給から月額約23万円となる。年金増額について年金受給者に聞くと「上がったうちに入らない」「公共料金が上がるからどうしたらいいのか…」との声が。東京・新宿区に店を構える自転車専門店。店主の月の年金は約8万円だが、年金だけでは生活が苦しいため店を続けているという。店主は2.7%の増額よりも物価の高騰を痛いほど感じていた。部品の高騰で修理代が上がったため客が激減。今月は2週間ほど客が来なかったという。頼みの綱である店の売り上げがない中でのギリギリの年金生活。「色々な支払いをするとお金が残らない。なんとか生き残っていけるかな…」と話した。バブル期以来の最高の伸び率となる年金額。関西大学・宮本勝浩名誉教授は「国民年金は月に300円もらえる予定の年金が減り、厚生年金は月に900円減ることになる。年金制度を長く続けるためにできるだけ年金を抑えようとする制度になる。年金生活者にとってはかなり厳しい」と指摘した。