中国が強める海洋進出の動きを念頭に防衛省が進めているのが、地上から海上の艦艇を攻撃するミサイル部隊の配備。陸上自衛隊湯布院駐屯地。地上から海上の艦艇を攻撃する第8地対艦ミサイル連隊が新たに発足した。設置は全国で7つ目で、今の防衛力整備計画で掲げられた、すべての連隊の配備が完了したことになる。7つの地対艦ミサイル連隊は、九州や沖縄県などに置かれている(湯布院駐屯地、健軍駐屯地、勝連分屯地、美唄駐屯地、上富良野駐屯地、北千歳駐屯地、八戸駐屯地)。これらの部隊に配備が検討されていると防衛省関係者が話すのが、「12式地対艦ミサイル」の改良型。従来、百数十キロだった射程をおよそ1000キロに伸ばす。防衛省は、有事の際に相手の基地などを攻撃する反撃能力としても使うとしている。2025年度から配備を開始する予定。このミサイルを、沖縄県に配備した場合のイメージの紹介。中国の沿岸部を射程に収めることになる。大分県や熊本県に配備した場合のイメージの紹介。中国沿岸部のほか、北朝鮮のほぼ全域が射程に入る。反撃能力について政府は、専守防衛を堅持し先制攻撃を行うことはないとしている。また、防衛省は、改良型の12式地対艦ミサイルの具体的な配備場所は決まっていないとしている。ただ、地元の住民の中には不安を感じている人もいる。市民団体が、“長い射程のミサイルが配備されれば地域が攻撃の対象になるおそれがある”などとして反対の声を上げていた。長い射程のミサイルの配備には、地域の理解が得られるかが焦点になる見通し。