ポーランド内陸のクロトシンは人口3万人ほどの小さな市だがヨーロッパ相撲連盟が本部を置いている。男女問わず地元の大会に参加し相撲人気が高まっている。この町で相撲に励む17歳のアントニー・グレンダはヨーロッパ相撲選手権で3度優勝した実力者で数々のメダルを獲得し、日本に行くことを夢見ていた。今年9月、プロトシン市の友好都市・島根県隠岐の島町に海外力士として招待された。隠岐の島では大きな祝い事があると神様に捧げる奉納相撲が江戸時代から行われ力士たちを応援してきた。今回グレンダらを迎える隠岐大巾会理事長・吉山修は「今回は特に古典相撲と古来の相撲ということでいろんなしきたりがあることを見て欲しい」と話した。グレンダたちは島の相撲ならではの所作などを学ぶために吉山のもとを訪ねた。神社への参拝から始まり取り組みは夜になってから始まる。中学生から60代までの力士が翌日にかけて取り組みを行う。アントニ・グレンダは「まさに僕が望んでいたとおりのことができて感動した。誰もがこんな経験ができるわけではない。相撲の神聖で伝統的な面に触れることができて夢がかなった」と話した。吉山修は「隠岐伝統相撲の所作を会得されていると感じた。これをまたポーランドで広めてほしい」と話した。