国の認可法人で、電力に関わる全国1900社余りが加盟するオクト・電力広域的運営推進機関は、各社から集計した需要想定をもとに毎年、今後10年間の国内の電力需要の見通しをまとめている。きょう公表された2034年度の国内の電力需要は、8524億キロワットアワーで、今年度より5.7%増える見通し。国内の電力需要は、2011年の東日本大震災以降、節電意識の高まりや人口減少を背景に減少傾向が続いてきたが、大量の電気を使うデータセンターや半導体工場の増加で、今年度からは増加傾向に転じるとしている。世界的にもデジタル化の進展や生成AIの普及などを背景に、電力需要の増加が見込まれているが、国内では今後、老朽化した火力発電所の休止や廃止が相次ぐ見通しで、伸び続ける需要に対して、どのように電力を安定供給していくかが課題になる。