春、青山学院には5000メートル13分台の逸材が6人も入部した。夏、新潟・妙高市で試練の強化合宿。1区間20キロの箱根駅伝より長い30キロ走。アップダウンの箱根路を想定した練習を着実に積んでいった。前回、“花の2区”区間賞・黒田朝日(3年)は今年5月、青山学院大学では史上初となる10000mで27分台という素晴らしい記録をマーク。自身の強みについて黒田朝日は、「調整力。レースに向かっていく流れが、うまいタイプ。抜くところで抜く。無理せずに練習する」と語った。密着を行った日も、黒田朝日はキャプテン・田中悠登(4年)とともに早くから準備していて、“練習前の備えは万全に、無理なく走りマイペースで結果を出す”ことが黒田朝日の強み。今年の箱根駅伝の3区で、日本選手で初めての1時間切りの59分台で区間賞を獲得した太田蒼生(4年)は、「例年よりしっかり練習を積めている分、出せる結果もある。(区間新で)1つぐらい名前を変えたい、日本選手の名前に」と語った。一方、1年生の逸材たちも夏合宿に参加し、青山学院大学の雰囲気に溶け込んでいた。1年生たちと熾烈な争いをするのが箱根初出場を目指す鶴川正也(4年)。きょねんはケガで苦しんだが、ことしの夏合宿は順調にできたと話す。