入場料やサービスの利用料などで、決まった価格を定めないことで客の集客につなげて売り上げを増やそうという動きが広がっている。静岡市の水族館では、5月から入館料の仕組みを大きく見直した。支払いは入るときではなく、出口でのあと払い。しかも、平日限定で客が自由に金額を決めることができる。水族館は2年前にオープン。デパートの中という立地もあり、平日の客数が伸び悩んでいた。客を呼び込むきっかけを作りたいと始めたのが「あと決め価格」だった。2月から3月に行ったテストでは、500円以下の入館料が6割を超えていた。しかし、来館者は前の年と比べて5倍近く増え、売り上げはおよそ2.5倍になった。また、客のニーズを考えるきっかけにもなり、餌やりといった新たなサービスを始めた。今では、1人あたりの支払い額も増えているという。一方、コインランドリーチェーン「wash+」では、店ごとの稼働率をAIが予測。需要が低い日にちや時間帯の料金を安くしている。AIの予測には天気予報の情報も加えられていて、価格の情報はアプリで1週間先まで公開している。稼働率は前の年に比べて7.6%上昇し、売り上げも伸びているという。