韓国・尹錫悦大統領の弾劾を求める議案について国会で採決の手続きが進められている。与党議員のほぼ全員が投票を棄権、否決される公算が大きくなっている。尹大統領が「非常戒厳の宣言は国政の責任者である大統領としての切迫感から来るものだった。その過程で国民に不安と不便をおかけしました」と謝罪、自身の責任について説明。与党・国民の力のハン・ドンフン代表は党として弾劾に反対の方針を示したが「大統領は正常な職務が不可能な状況であり、早期退陣は避けられない」と述べた。最大野党・共に民主党のイ・ジェミョン代表は「韓国の最大のリスクは大統領の存在そのものだ」と批判。ソウルの中心地、光化門広場には尹大統領を支持する人ら数千人が集まり弾劾反対の意思を示した。退陣を求める声が高まっていたソウル。韓国ギャラップの世論調査では支持率は過去最低の13%。大統領弾劾訴追案の採決が始まったが、当初与党議員は1人を除き107人が退席。院内代表や残った議員らが退席した議員に呼びかけたが戻る議員は少なく否決される可能性が高まっている。最大野党・共に民主党は「来週にも再び弾劾訴追案を発議する」としている。今週火曜に突然出された戒厳令。6時間で解除された。戒厳令が出た直後、国会周辺に駆けつけた3人に話を聞いた。見えてきたのは「民主主義を守る」という強い意志。野党議員の秘書のキム・ヒョンビンさんが撮影した写真には3機のヘリコプター。武装した軍の兵士や警察が集まり物々しい雰囲気に。国会周辺は市民であふれごった返していた。武装した兵士にひるまず銃口をつかんで立ち向かう野党の広報担当や軍の車両を移動させまいと立ちはだかった市民らの姿もあった。現地メディアの記者も軍の兵士や警察が市民の力に押される場面を目撃。