東京・渋谷区の焼肉店では、今月下旬から、アルバイトの時給を100円引き上げることを決めた。現在の時給は1300円で、去年引き上げたばかりだ。求人情報を掲載するサイトを運営している会社の社員は、この店の周辺エリアの平均時給は1340円で、この店の時給はそれを下回っていると指摘し、賃上げを促した。店主は、人手を確保し、売り上げアップにつなげるため、時給の引き上げを決断した。新たな負担は、年間約50万円を見込んでいる。掲載された会社の時給が高いと、より多くの人がサイトを訪れるようになり、サイトに求人広告を出したいという企業も増え、サイトの運営会社の売り上げアップにつながるという。運営会社社長は、労働組合に入っていないアルバイトなどは、雇用環境的に弱い立場にいて、そういう人たちの給与を上げるのは、日本経済を回していくうえで重要だなどとした。
福岡県須惠町にある金属加工などを手掛ける会社。従業員は100人余りで、労働組合はない。社内の3つの事業部から、それぞれ投票などによって合わせて15人ほどの従業員の代表を選ぶ。代表は、経営陣とともに、決算書などを読み取り、経営状況を把握して、賃上げが可能かどうか、職場環境に改善点はないかなどと話し合う。代表は、話し合いをもとに、毎年9月に経営側に要望を提出し、協議を進める。こうした取り組みで、2年連続のベースアップを実現し、去年は、定期昇給を含め、平均1万6000円引き上げた。経営側は、永続する企業を目指しているから、社長のトップダウンではなく、みんなで考えて、みんなで会社を作っていくことが必要だなどとした。