国は戦後一貫してコメを農業政策の中心に位置づけてきた。食糧管理法に基づきコメを増産し、政府が買い入れることで自給率100%を達成した。しかし食の洋食化によりコメあまりが起き、余剰のコメを買うことになり財政負担が膨らんだ国は減反政策に切り替える。1995年には貿易自由化をきっかけに食糧管理法を廃止し、コメの価格を市場原理に委ねることにした。国は基盤を整備し農家の経営力強化を図ったが、消費者のコメ離れに歯止めがかからずコメの価格は下落の道を辿った。1995年には60キロあたり21,017円だったコメの価格は2022年には13,865円になっている。国は現在38%の自給率を45%に引き上げようとしている。利益の出やすい野菜をコメを合わせて生産するよう誘う政策や小さい農地を束ねて1つの農家にまとめる大規模化の政策など、国はコメ農家に対して様々な取り組みを講じている。