大阪大学で香味醗酵の久保社長に話を聞いた。あらゆるにおいを抽出して独自の研究を行っている。においの転送を可能にしたのは世界初の人工の鼻の技術。人間の嗅覚受容体を埋め込んだガラスプレートに測りたいにおいや成分をかけると、様々な反応が出る。400あるセンサーのうち反応した種類と強さの組み合わせが客観的なにおいのデータとなる。数値化したにおいをアウトプットするデュフューザーは、5つの香料を組み合わせることで様々なにおいを再現できる。この装置は大阪・関西万博にも展示される。久保社長は将来的にテレビを連動させたりVRゴーグルの中にはめることを考えていると話した。相場は他企業からの引き合いについて質問。久保社長は化粧品や食品メーカーと思っていたが車のメーカーからエンターテインメントまで範囲が広い、秘密保持契約を結んでいる企業が上場企業だけで168社ある、日本のほぼすべての産業のジャンルが含まれていると答えた。久保社長はあらゆるにおいのジャンルを合わせると市場規模は約231兆円、100年続くような技術・企業としてやっていきたいと話した。久保社長が起業を決めたきっかけは9年前、においの分析技術を研究していた大阪大学の黒田俊一教授との出会いだった。将来性に惹かれて2017年に香味醗酵を設立し、社会実装を託された。