岸田総理大臣はきのう、自民党の憲法改正実現本部の会合で憲法への自衛隊の明記について今月中に論点整理を行うよう指示したうえで、国民投票を行う際には「自衛隊の明記」と「緊急事態条項」の2つの論点を問いたいという考えを示した。自民党は党派を超えて連携できる項目として緊急事態に国会議員の任期を延長するなどの「緊急事態条項」を先行して検討してきた経緯がある。岸田総理大臣の指示について党内では「憲法改正を党是とする自民党として当然だ」とする意見の一方、「党の総裁選で保守層の支持を得る狙いがあるのではないか」といった見方も出ている。総裁選挙をめぐっては党の規定によって来月下旬に国会議員による投票が実施されることになっていて、今月20日の選挙管理委員会の会合で具体的な日程が決まる見通し。党内では岸田派の議員を中心に岸田総理大臣の再選を求める動きがあるほか、茂木幹事長と石破元幹事長が立候補に意欲をにじませている。また前回立候補した河野デジタル大臣や高市経済安全保障担当大臣、野田元少子化担当大臣も自らに近い議員との会合を重ねている。さらに小泉元環境大臣や小林前経済安全保障担当大臣の立候補に期待する声も出ていて、今後動きが活発になる見通し。