高度経済成長期に建設ラッシュとなった団地は憧れの住まい。風呂なし・木族アパートが当たり前だった時代に鉄筋コンクリートの団地は、最新設備が備わった夢の空間だった。平日の朝、マンモス団地から駅へ向かう道は、会社員で埋め尽くされた。入居できるのは抽選で当選した人で、その大変さをニュースも伝えた。一方、抽選に外れた人は「当たらんのよ インチキしてんじゃないっけね」などと話していた。50年以上経った今では様々な問題が起き始めている。北海道・函館市の湯川団地は4階建て集合住宅37棟ある大きな団地だが、入居者が減少し、784戸中310戸が空き家になっている。住民は高齢化し、新たな入居者はほとんどいない。約50年暮らしてきたという西村さん(78)に部屋の中を見せてもらうと、カビが生えることに悩まされていた。老朽化した配管から水漏れしカビが発生。建物のいたるところで老朽化が進んでいた。さらに住民が減ったことにより、団地の近くにあったスーパーが2月に閉店していた。この団地に限らずマンションなどの老朽化と高齢化は各地で問題になっている。古い共同住宅を再生する動きも始まっている。手掛けているのが無印良品。