7月、文化部のインターハイ全国高校総合文化祭で、鹿児島の高校生が演じた創作劇。太平洋戦争のあと、米軍に統治された奄美大島の人々の物語。奄美は統治の間、本土との行き来が制限され、食糧難や物資不足に。奄美の人たちは署名・集会・断食といった非暴力の運動を続け、8年後に祖国復帰を果たした。劇を演じたのは、鹿児島県本土の高校生たち。復帰運動の先頭に立った青年団員を演じる小梁川さん。祖父は奄美大島の出身。小梁川さんたちは1年の練習を経て九州地区の大会で最優秀賞を受賞。全国高校総合文化祭への切符を手にした。そして、迎えた本番。小梁川さんが演じる青年団は、米軍政府に追われ奄美を離れた。上演から1週間後、小梁川さんは祖父の元を訪ねた。小学1年生の頃、日本復帰を体験。孫が復帰運動を演じたことをきっかけに、当時の体験談を語るようになった。奄美の人たちの思いを胸に苦難の歴史は若い世代へ受け継がれていく。