大一番を前に緊張した面持ちで対局場に姿を現した西山朋佳女流三冠(29)。将棋界には男女を問わない「棋士」と女性だけがなれる「女流棋士」の2つのプロ資格がある。しかし、これまで女性の「棋士」は誕生しておらず、今回女流棋士のトップである西山女流三冠が棋士編入試験に挑んだ。試験は新しく四段になった棋士5人との対局で3勝すれば合格となる。第1局の相手は高橋佑二郎四段。今年7月棋士との公式戦で13勝7敗という好成績を残したことで、編入試験への挑戦権を獲得した。そしてきのうの対局では「豪腕」の異名をとる力強い手を連発してリードを拡大。終盤は高橋四段の反撃を冷静にしのいだ。そして午後5時40分すぎ、高橋四段が投了。西山女流三冠が第1局を白星で飾り、女性初の「棋士」誕生にあと2勝とした。