短時間仕上げのメガネが人気の一方で、職人が丁寧に作り世界的評価を得るのが福井・鯖江市。鯖江や周辺地域でメガネ作りが始まったのは1905年(明治38年)のこと。冬は雪に覆われ農業ができなくなってしまう地域で冬場でも屋内で作業ができ収入を得られる副業としてメガネ作りを取り入れたのが始まり。その後、職人たちが腕を磨き品質を高めていく中で1980年代には世界で初めて軽くて丈夫なチタン製のメガネの製造技術を世界で初めて確立。2017年には鯖江市一帯でメガネフレームの国内生産シェア約9割。国際的なメガネ産地としての地位を築く。メガネ用金型・部品製作40年の服部祥也さん(58)。鯖江のメガネ作りは金型作りからプレス加工、組み立て、研磨、塗装を分業で行う。パソコンソフトで平面デザイン図を3D化して原型を製作。その原型をもとに金型を製作。チタンをセットし最大250トンでプレス。自分の工場で不良品が出ると他の工場に迷惑をかけることになる。プレスのときもずれることがあるためチェックも欠かさない。できた部品が送られるのが組み立て、研磨などを行う工場。組み立てで行われるのがロウづけといわれる作業。部品と部品の間に小さなロウ剤という合金を挟み熱と圧力を加えて接合。メガネの枠とつるをつなぐ智にネジ穴のついた金具をくっつける作業。組み立てられたフレームは研磨剤混ぜたクルミチップ入りの箱に入れ36時間磨く。磨き残しや傷がないか人間の目で確認。修正必要箇所には赤色えんぴつでチェック。職人の手で磨きあげる研磨。その後、メガネの形を整える調整、最終チェックの検品の工程を経てメガネが完成。お値段は4万円。