所信表明演説は総理大臣が国会で自らの政治姿勢や重点課題を明らかにする演説で、内容は事前に閣議で決定される。石破総理が今回、多く口にしたことばは「守る」(ルール、日本、国民、地方、若者や女性の機会)、「信頼」(国民の信頼を取り戻す)。文字数は約9500文字と2012年以降、最も多い。外交安全保障政策は演説の前半部分に盛り込んだ。政府高官は「世界を見ることが重要だという石破総理の思いの表れ」と解説。アジア版NATOの創設、日米地位協定の改定について言及がなかった。経済政策について、デフレ脱却を確かなものにに、危機に強靭な経済、財政を作っていくとし、岸田政権の路線を基本的に踏襲。最低賃金を2020年代に全国平均1500円まで引き上げることを目指す。石破総理は10年前に地方創生担当大臣を務めた。演説で「地方こそ成長の主役」だとして、地方創生の交付金の倍増を目指す考えを打ち出した。野党側は総理大臣が交代しても自民党の政治とカネの問題が解決したわけではないと言っていて、来週行われる各党の代表質問で激しく論戦が交わされることになっている。9日に大筋合意した党首討論があるが、党首討論だけでは不十分だとしていて、新たに就任した閣僚の資質などもただす必要があると衆参両院で予算委員会を開催するように求めている。石川県能登地方の復旧復興のための補正予算案の編成も要求している。石破総理が選挙の日程に言及したことから、与野党は事実上の選挙モードとなっていて、今後、選挙戦をにらんだ与野党の攻防がさらに激しくなる見通し。