自民党総裁選出馬会見で大臣として取り組んだ実績をアピールした河野太郎デジタル大臣。しかし時にその手法が問題視されたこともあった。現行の保険証を廃止しマイナカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替えると突然発表。任意であるはずのマイナカードの取得が事実上の義務化となったなどと批判を浴びた。出馬会見でマイナカードについて改めて問われると「マイナンバーカードは任意。マイナ保険証に切り替わるが、マイナンバーカードを持っていない人には資格確認書が出るので、マイナンバーカードがなくても特に問題はない。大事なのはこの傷だらけになりながらも改革をとことん進めていくという強い意志があるのか。やるべき改革をやった実績があるのか、そこが問われるんだと思う」と述べた。そして自民党が直面する裏金事件については「不記載になってしまった金額を返還することでけじめとして前へ進んでいきたいと思っている」と述べ、不記載があった議員に国庫返納を求め、応じれば「自民党公認候補として国民の審判を仰ぐことになる」とした。一方で党内からは「返還なんてできるのか。他の陣営との差別化のため言っているんだろう」「面白いよね。前の人よりも厳しいことを言わないといけなくなる。厳しいことを言っておいて、結局何もできなかったなんていうことになればまた大変なことになる」など冷ややかな声が上がっている。出馬の意向を示す議員らが掲げる”脱派閥”。河野大臣は唯一党内で存続を明言している麻生派に残り続けている。今回の出馬では所属する麻生派の支援を取り付けたが、派閥の長である麻生氏自身の態度は明らかになっていない。麻生氏は今回の総裁選でどのような動きを見せるのか。政治ジャーナリスト・田崎さんは「麻生氏の基本戦略は勝ちそうな馬に乗ること。麻生氏は具体的候補者としては河野大臣が立つことはよいでしょう、人も出す。しかし派閥として河野さんを推すことはない。候補者が出揃った段階で派閥としては1回目は自主投票、決選投票の段階で勝ちそうな馬に乗るっていうことです」と話す。