高知県黒潮町では地域の防災課題を解決しようと熱心に取り組む町民たちもいる。明神里寿さんが立ち上げたのが「かかりがましの会」。時にうるさがれながらも町行く人たちに毎日、防災の話をしている。町民の防災意識を高めるため、さまざまな取り組みをしてきた。1つは4年前から始めた避難タワーのガイド。タワーの環境整備に使うため、ガイド料を集める。タワーは一時避難の場所のため、数日間の滞在を想定した消耗品の購入には町の補助金が使えない。ガイド料として集めたお金で水や食料、下着などを自分たちで購入している。明神さんが防災に取り組み始めたきっかけは東日本大震災だった。明神さんの夫と息子はカツオ漁師で、毎年宮城県気仙沼の方に出向いて操業しており地元の人と家族ぐるみの交流があったという。震災により多くの知り合いを亡くした明神さんは地域の命を守る防災の大切さに気付いた。以来防災について自ら学び地域の人達にも伝えてきた。しかし今回南海トラフ地震臨時情報が出されるとそもそも知らないという人が多くいた。明神さんは臨時情報のことも含めこれまで以上に多くのことを町民に伝えていこうとしている。