パリパラリンピック・砲丸投げの決勝。日本代表・齋藤由希子・31歳は、元世界記録保持者でありながら今大会が初出場。それには理由があった。生まれつき左肘から先がない齋藤は、パラ陸上投てき種目のスペシャリスト。本職の砲丸投げに加え、円盤投げ、やり投げの日本記録も持っている。しかし彼女が出場するクラスはパラリンピックで過去3大会実施されず、実は今回が初めての夢舞台挑戦。2年前、出産を経験し、新たな家族という力の源を得た。長女・千遥ちゃんの育児とトレーニングを両立。まだ幼い愛娘に最高の思い出をプレゼントしたい。そして迎えた初めてのパラリンピック。日本に残って観戦している家族のために、4投目まで順調に記録を伸ばしていく。そして最後の6投目はこの日の自己ベスト。しかし表彰台まであと27cm足りず。メダルというお土産は次回以降に持ち越しとなった。