中川さんはAI創薬に注目。新しい薬の開発は生成AIの導入により生産性の向上が見込まれる分野でコスト時間の大幅な削減ができるとみられている。臨床試験の成功例の向上にも繋がり、AI導入は医薬品市場全体に年600億~1100億ドルの経済効果をもたらすと試算されている。製薬企業の幹部を対象に行われた調査で回答者の6割が「AI発見の新薬が初承認を得るのは5年未満」と予測し、実用化を視野に入れた取り組みが進んでいることが示唆される。製薬大手がAIを手掛けるバイオ技術スタートアップと提携や出資を行っていることが目を引く。AI創薬をめぐる提携件数はこの10年で急増しており取引総額は140億ドル規模まで伸びている。去年コロナワクチンで知られるドイツのビオンテックは創薬強化のためにイギリスのAI企業「インスタディープ」を買収しているが数年でこうした買収案件が増加すると予想される。半導体企業と製薬企業の協業も未可決で、エヌビディアはAI創薬向けクラウド「バイオネモ」を開発している。アムジェンやインシリコ・メディシンなど100社超が利用。エヌビディアはリカージョン・ファーマシューティカルズにも出資していて創薬のAI化を主導する存在として注目していると話す。