圧倒的な分断の現実。それでも万博会場では2人の当事者がそれを乗り越えようともがいていた。万博が終わる前に話してみないか、自ら歩み寄ったイスラエル人のビリク・オフェルさんとそれに応えたパレスチナ人のラファット・ライヤーンさん、2人の対話はこうして始まった。2人は分断の先にある平和への糸口を探り始める。平和への願いは確かに重なった。しかしラファットさんにはどうしても突きつけたい現実があった。「両者の間でこれほど衝突が絶えないのは、イスラエル軍や入植者がパレスチナ人と直接向き合う場所にいるからだ。市民への攻撃を止め、姿を消せば衝突はなくなる」と語った。最後は握手を交わし「また会いましょう」「願わくば平和が訪れたときに。きっと近い将来に」などと言葉を交わした。万博会場が解体されていく。ラファットさんはパレスチナ・ヨルダン川西岸地区に戻っていた。家の目の前には巨大な分離壁がある。万博で託された平和への思い、「最善の解決策はパレスチナ人とユダヤ人がそれぞれ自分たちの国を持つこと。平和には対話が必要。相手側と話すことが必要」と語った。
