カリフォルニア州サンフランシスコエリアに4年前に完成した配送センター。600人以上のドライバーが働き、ここから1日平均10万個の荷物を届けている。こうした地域の物流を支えるドライバーたちの働き方が、劇的に変わるかもしれない。アマゾンが新たに発表した配送ドライバー用のスマートグラスをかけると、荷物のラベルから配送すべきものとそうでないものを瞬時に見分けることができる。また届けるべき住所までの道順が表示されるナビゲーション機能を搭載し、配達の完了を証明する写真の撮影も可能だという。これまでスマートフォンなどで行っていた作業がより簡単になることで、ドライバーの負担を軽減しよりスムーズな配達が可能になる。このスマートグラスは北米で来年にも導入を目指すとしている。今年から北米で本格的に導入されたVRヘッドセットを使ったトレーニングシステムでは、配送車両の駐車位置や玄関先で荷物を置く場所など実際の空間に身を置きながら学べる。想定されるクレームなど実際に起きたケースを参考に場面を再現し、配送ドライバーとして求められる実践的なスキルを身につけることができるという。従業員の負担を軽減する取り組みは、配送センター内でも強化されている。これまで3種類のロボットが担っていた作業を1体化しAIが自ら判断し完結させる新しい自動化システムは、全商品の75%を処理可能だという。アマゾンロボティクス部門開発責任者のタイ・ブレイディ氏は「ロボットを人間の『延長』として、いかに人間の能力を強化・増幅させるかを考えている」などと述べた。日経BPシリコンバレー支局の島津翔編集委員は「移民への締め付けがトランプ政権で厳しくなっており、物流の労働力の大部分を担ってきた移民がいなくなってもアメリカ人が働きやすくするための効率化を目指しているようにもみえる」などとコメントした。こうした新技術が作動するうえで欠かせないのがアマゾンのクラウドシステム「AWS」だが、今週大規模なシステム障害が発生している。
