アマゾンでの森林破壊は次のように進むとされている。まず木材などを目当てに森林が伐採され、農地や牧草地になる。ただ適切に管理されず何年も使い続けて土地が痩せると農作物の生産性が落ちてしまう。このため別の土地が必要になり新たな森林伐採を引き起こす要因になるという。つまり同じ土地を持続的に利用できていないことが森林伐採が止まらない大きな理由の一つとなっている。こうしたなか今ブラジルでは農地を荒廃させずに持続的に利用するため木を植え森の機能を回復させながら同時に農業を行うという方法が注目されている。ブラジル北部・アマゾン地域に位置するまち、トメアス。2歳のときに日本からブラジルに移住した小長野道則さんが地域で進めてきたのが「アグロフォレストリー」という取り組み。広さ230ヘクタール、森のように見えるのが小長野さんの農園。もともと荒れていた土地に木を植えていき、今では15種類以上の作物を栽培している。アグロフォレストリーの特徴は病害などのリスクを分散させるために多様な作物を組み合わせて生産すること。例えば農園でよく見かけるのがチョコレートの原料のカカオと栄養分が豊富なことで知られるアサイーの組み合わせ。カカオは日陰、アサイーは日光が必要で、一緒に植えるとうまく育つという。また、1年で収穫できる作物と、中長期で収穫できる作物を組み合わせて植えることで同じ土地で持続的に収益をあげることができる。トメアスにはブラジル国内のみならず世界各地から視察が相次いでいる。COP30の期間中にはエチオピアやネパールなどから200人以上が小長野さんの農園を訪れた。小長野さんはアグロフォレストリーがアマゾンの課題解決に繋がってほしいと願っている。トメアスのアグロフォレストリーはCOP30期間中のイベントでも先進的な取り組みとして注目を集め、環境保全と経済性を両立する解決策につながるのではと期待されている。
