加藤さんの味噌蔵には海外からも足を運ぶ人の姿が見られる。みその輸出量は1980年は1379tだったのに対し、2020年には15994tまでシェアを増やしている。加藤さんは海外の方は木桶など伝統的なものに対しての価値観が高く、作りからを見直すためにも海外から和食以外にも可能性を探していけたらと話している。和のテイストを合わせたイタリアンレストランを手掛ける尾本寛さんとも味噌を使った料理の試食会を行っていて、豆みそを使った「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」は豆みそのコクがバターのコクの変わりになっている。白みそにアサリのスープを加え、モッツァレラチーズとウニを乗せたスープパスタ「ウニとモッツァレラチーズのタリアテッレ」はチーズを餅に見立てた雑煮のような仕上がりとなった。デザートも「みそとゆずのヴァシュラン仕立て」で菓子の生地やアイスクリームに白味噌とゆずを合わせている。加藤さんは何も知られていないからこそまだまだ伸びしろがあるのではないかと手応えを感じていた。