2024年2月16日放送 15:10 - 15:55 NHK総合

京コトはじめ
京の食文化を支える みそ

出演者
瀬戸秀夫 森田洋平 奥野史子 高橋拓児 
(オープニング)
オープニング

今回は今日の食文化を支える「みそ」について紹介する。

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京都府
オープニングトーク

今回は京都市・西京区の松尾大社から京の食文化を支える「みそ」について生放送で紹介していく。京都では夏は赤みそ、冬は白みそなど季節ごとに様々なみそが食されてきていて、中でも白みそははれの日に欠かせない食材として重宝されてきた。

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上京区(京都)大山咋神松尾大社蓬莱の庭西京区(京都)重森三玲
(京コトはじめ)
中継 老舗が提案!みその新しい楽しみ方

京都御所の近くにある、みその老舗では江戸時代からみそを作り続け、宮中にも献上してきた。近年の食生活の変化にあわせて様々なスタイルでみそを味わってもらおうと工夫した製品づくりに取り組んでいる。後ほど、伝統のみそをはじめ、スイーツなどを紹介する。

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上京区(京都)京都御所
京都の食文化を支える醗酵食品

全国のみそ蔵から40種を集めて販売する専門店もみられる。米・豆・麦など様々なみそが使い分けていて、京都は全国の8割をしめる米みそが使われている。加藤昌嗣さんは味噌蔵の四代目となっていて、周りが機械化する中で今も昔ながらの味噌づくりを行っている。蓋を開けずにみそを作っていくことで開ける時はドキドキするのだという。味噌づくりは冬に行われるが背景には発酵が急激に進まないようにするためとなっている。米麹と大豆・塩から作られる米みそは食べられるカビである麹菌を米につけて繁殖させる物となっていて、湿度の高い日本の気候は麹菌を育てやすい環境となっている。しょうゆや日本酒も麹菌から作られている。今も機械に頼らない製法を続ける加藤さんだが、味噌づくりは水に一晩つけた米を蒸していき、蒸した米は風を送りながら冷まして人肌ぐらいの温度になったところに種麹を混ぜていく。種麹を混ぜ込んだら温度と湿度を保った部屋で一晩寝かせていく。翌日もくっついた米を丹念に剥がしていき、100年前から使い続けているという木の箱の中で麹菌を繁殖させていく。多くの酸素を必要とすることから5~6時間ごとに混ぜる必要があるのだという。作業を始めて3日ほど立つと米麹に菌糸が伸びる様子が見られる。大豆は3時間かけて茹でたら米麹と塩を混ぜてすりつぶしていき、樽の中に混ぜ合わせた材料を加えていく。1つの樽は2tという重さがあるのだといい、何日もかけてここにみその元を加えていく。木桶には小さい穴がいくつも空いていることで味噌に必要な乳酸菌や酵母菌の住処となっているのだといい、蔵の中の菌が発酵を促していくことで米や大豆のうまみ・甘みが引き出される。

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CORE KYOTONHK WORLD-JAPAN京都府大豆
京の食文化を支える みそ

今日料理店の3代目・高橋さんは、京料理における味噌の使われ方について「お味噌汁、酢味噌和え、鮮魚を漬ける味噌床、また今の時期はふろふき大根にかけるものや、夏の時期はなすの田楽などいろんなパターンで味噌を楽しめる」などと話した。味噌の歴史は、古代の中国の「醤」という言葉が日本に入ってきて、日本の中で独特の調味料「未醤」というものとして進化を遂げていき、その未醤が味噌という言葉に変わったとも言われているそうだが、それが転じて日本独特の穀醤として味噌になったという。平安時代には味噌が使われていた文献があり、それ以降鎌倉時代の精進料理や室町時代の懐石料理、そして江戸時代には庶民に広まったそうで、徳川家康も味噌汁が好きだったという。味噌汁は室町時代から江戸時代にかけて出てきたという。日本は水が豊かなので、味噌を水に溶かしたら美味しいとなったのではと高橋さんは話す。京都では主に米みそが使われているが米みそにも赤味噌・白味噌など様々ある。京料理では夏は赤味噌、冬は白味噌と使い分けるという。夏は汗をかくので塩分が多い赤味噌、甘くてタンパク質がたくさん採れる白味噌は寒い時期に使うそう。

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京都で愛されてきた「白みそ」

京都の料理では汁物だけでなく様々な料理にみそが使われている。特に京都発祥の白みそは多種多様な料理に重宝されてきた。白みそ作りの老舗では機械化されている部分もあるが、現在も白目大豆という豆のみを使用して白色を大切にする製法にこだわっている。豆を煮る際は湧き水を使用し、沸騰させて豆のアクを吹きこぼして味噌に色がつかないようにしている。こうして茹で上がった大豆と米麹・塩を混ぜ、米麹は甘さを引き立たせる為に一般的な米みその2倍以上使用している。熟成期間は7~10日と短く、麹の酵素の効果で米のデンプンが糖化して独特の甘みが生まれる。京都では行事のおりに白みそを用いるのが定番で、白みそを使用した正月の雑煮は家内安全や五穀豊穣を願って食す。

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高橋さんによると白みそは他の味噌と違うもので米麹の量が多く、透過し他の味噌よりも甘く、大豆も発酵が進んでいないため大豆本来の味がでてくるため異質である。10日や2週間で使い切る。ゆずを入れゆずみそを作ったり、魚を味噌床につけて炭火で炙ったりして調理をする。京都では味噌漬けと呼ばれ全国では西京焼きと呼ばれている。白味噌は塩分濃度が低いため醤油を入れたり調理法に使うことができる。玉味噌に米酢を混ぜた焼きホタテとワケギのぬたあえを奥野さんが試食しおいしいとコメントした。白味噌に米酢をいれることで味が膨らみ抜群の効果が出るという。素材の味を引き立たせることがポイントである。

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老舗が提案 みその新しい楽しみ方

京都・上京区の老舗みそ店からの中継。この店は江戸時代から続く老舗で、赤みそ・西京白みそなどを宮中に献上したこともある名店。店では現在みそを使用した焼き菓子を販売していて、食生活の変化から新たなみその楽しみ方を発信するために開発したという。作る過程で乳製品やフルーツなどとの相性の良さが見つかる一方で、使用するみその分量の調整に苦労したという。

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上京区(京都)京都御所
みその新たな可能性

加藤さんの味噌蔵には海外からも足を運ぶ人の姿が見られる。みその輸出量は1980年は1379tだったのに対し、2020年には15994tまでシェアを増やしている。加藤さんは海外の方は木桶など伝統的なものに対しての価値観が高く、作りからを見直すためにも海外から和食以外にも可能性を探していけたらと話している。和のテイストを合わせたイタリアンレストランを手掛ける尾本寛さんとも味噌を使った料理の試食会を行っていて、豆みそを使った「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」は豆みそのコクがバターのコクの変わりになっている。白みそにアサリのスープを加え、モッツァレラチーズとウニを乗せたスープパスタ「ウニとモッツァレラチーズのタリアテッレ」はチーズを餅に見立てた雑煮のような仕上がりとなった。デザートも「みそとゆずのヴァシュラン仕立て」で菓子の生地やアイスクリームに白味噌とゆずを合わせている。加藤さんは何も知られていないからこそまだまだ伸びしろがあるのではないかと手応えを感じていた。

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京の食文化を支える みそ

高橋さんは絹ごし豆腐を濾して厚揚げにし味噌に砂糖とお酒を入れ練り田楽風にし炙った厚揚げ田楽と九条ネギのお椀を考案した。まずはお出汁を楽しみ、厚揚げを食べ、お味噌を溶かし楽しむ。高橋さんの知り合いの外国のシェフは全員味噌を使っていて自国で味噌を制作しているという。白味噌は正月に使うため1年間の付き合い方が大事だとした。

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大河ドラマ 光る君へ

大河ドラマ 光る君への番組宣伝。

特別展 中尊寺金色堂

特別展 中尊寺金色堂の紹介。東京国立博物館で4月14日まで開催している。

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建立900年 特別展「中尊寺金色堂」東京国立博物館

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