- 出演者
- 森田洋平 三林京子
オープニング映像。
出演者の挨拶。森田さんは「京都最古の松尾大社から今日伝えるのは、『着物の帯』です。ゲストは俳優の三林京子さんです」、三林さんは「私も帯が好きで、着物は無地でもいいんですが、帯の方が好きですね」などと話した。
着物の帯には様々な結び方があり、一番基本的なのは太鼓結び。帯は、江戸時代から装飾性が広がったとされている。また、帯には柄を織る「織り帯」と、生地に柄を絞める「染め帯」があるという。合わせる帯により、着物姿の印象を大きく変えることができるという。
三林さんは「今日着けている帯は、友だちのお母様の形見で、太鼓結びをしています。着物は寸法が合わないこともありますが、帯は誰にでも合わせやすいですから、引き継がれやすいのかもしれません」、織物会社代表の龍村さんは「元々古代は着物を紐でまとめていましたが、室町時代か帯が表に出てきて、江戸時代に華やかな帯が広まりました」などと話した。
織物の町、京都・西陣。この地で作られるのが西陣織。創業約130年という工房。西陣の中でも最高級の帯をてがける。職人が色とりどりの絹糸を1本1本丹精込めて手作業で織る。龍村平蔵さんは創業者の志を継いで40年以上にわたり帯作りにたずさわってきた。龍村さんの帯の柄は写実性の高さで知られる。一見しただけでは織物とわからないほど。1本100万円以上するといわれる西陣織の帯。帯作りはデザインから始まる。専属のデザイナーが考案するデザイン。工芸品や建築物などあらゆるモチーフが選ばれる。デザイナーは全員美術系大学出身。日本画、西洋画、染色など多用な分野からなる専門家集団。図案を制作して30年を超える衣川雅之さん。織物になった時の風合いをイメージして図案を描く。完成した図案をスキャンして方眼紙に写す。指図という織物の設計図が完成。1マスは縦糸と横糸の交差を示す。交差が表に出る糸の色となる。指図を作成する谷口仁志さん。コンピューターでは表現しきれない微妙なニュアンスを出すための細かな仕事をしている。指図が完成したらそれをもとに紋紙を作成。紋紙は帯の模様を織るために糸の上げ下げを織り機に指示するためのもの。織り職人の岩間利夫さん、工房で機織りに携わり60年以上になる。帯作り最後の工程。完成品とほぼ同じ品質の試作品を龍村さんが自らチェックする。織物は立体物、その考えを打ち出した初代の龍村平蔵さん。織物は凹凸が少なく平坦なものが一般的だった。初代平蔵によって帯は工芸品として広く認められるようになった。美を追求した実用品、龍村さんたちが追い求めてきた西陣織の帯。
森田アナは「結ぶのがもったいないような帯ですが、結ぶものなんですよね」などと言った。先程のVTRは2016年に放送されたものだが、龍村平蔵さんはスタジオの育さんの父親で、今年亡くなったという。父親からの教えを聞くと「織物を作る上でいろんな言葉をもらいましたが、その中で初代・平蔵が言っていた言葉が心に残っていて、『織物というのは縦糸と横糸が偶数なので割り切れてしまう。割り切れるということは他の人にもすぐわかってしまう。なのでもっと研究し、我々場”美”という糸をもうもう1本加えて奇数にし、割り切れないものして誰にも作れない究極・至高の織物を作る』というのが心に残っている。私も5代目を襲名するので。その言葉を胸に作品づくりに励みたい」と話した。
きょうは龍村さんにどのような着物にどのような帯を合わせれば良いのか紹介いただく。「黒留め袖」は結婚など晴れの日の着物のため、金銀糸などを用いた大ぶりで演技の良い柄を選ぶ。この日に用意したのは「円文白虎錦」。次に黒留め袖よりややカジュアルでお茶席・パーティーなどで着用する「訪問着」。訪問着には柄・地色に決まりはなく自由度が高い。格の高い帯から軽やかな柄まで合わせることが可能。龍村さんが用意したのは甲冑の方の防具をモチーフとした「威毛(おどしげ)錦」と、正倉院の鏡の裏を模した「宝鏡華紋錦」。同じ訪問着でも帯を変えると印象が随分変わる。次に糸の段階で染めてから織った生地で普段着に使われる「紬」。「紬」はシンプルな着物が多いため、金銀糸を使っていないもので、幾何学模様などデザイン化された柄を選ぶと良い。この日に用意したのはクジャクをデフォルメした「甲比丹(かびたん)孔雀手」。三林さんは「みんな欲しいです。これ(甲比丹孔雀手)が何にでも合わせられそうで便利な帯になりそう」などとコメントした。
帯を結ぶときに欠かせないのは帯締め。帯の上から最後に結ぶ欠かせないファッションアイテムだ。糸の束をくむ組紐でできている。京都府宇治市の専門店で職人の八田さんに話を聞く。帯締めは伸縮性があるのでくみひもだとしっかりと結ぶことができる。多色づかいができるので帯にあわせてあつらえることが可能だ。工房では職人が手作りをする。梅原さんはリバーシブルの花柄を組んでいると難しさを語る。1本つくるのに3日から4日かける。自分も作りたい人のために教室がある。それぞれが帯締めを楽しんでいた。
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- 宇治市(京都)
帯を結ぶ文化。夕方4時、町は慌ただしい。座敷を控えているためだ。舞子たちの時間にあわせて置屋をまわる。舞子がしめるだらりの帯は舞子のシンボルだ。歩く度、舞のときに優雅にゆれる。5分で絶妙な力加減で結んでいく。だらりの帯は季節ごとにかわる。帯のさきに置屋紋。だらりの帯は帯の文化だ。京都市内の着付け教室ではs帯の結び方を教える。帯の結び方で着物の印象はかわる。太鼓結びは太鼓橋にちなんで結んだ。たてや結びは未婚女性が結ぶ。文庫は清楚な印象で武家の女性の基本だ。ふくら雀は雀の姿から着想され、富などを願う。帯結びを苦手にする人も多いと服部さんは感じる。クリップなどをつかって太鼓結びをつくる方法は全国に普及する。また京都市内の中学で着付けを指導する。着付けの稽古には名物裂の帯を使う。帯を結ぶ文化が若い世代にバトンが渡る。
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- 京都女子中学校・高等学校東山区(京都)雀
エンディング映像。
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