ニューヨーク証券取引所から第一生命(DLI NORTH AMERICA)・松谷拓弥さんの解説。米国の外食業界の動きを注視している。松谷さんは「去年に引き続き米国の外食チェーンの破産が相次いでいる。BankruptcyData.comによると、外食支援の破産申請件数はコロナ禍の2020年を除くと過去最多の水準となっている。レッドロブスターは食材コストや人件費が高騰、食べ放題などで収益悪化。結果として多くの店舗が閉鎖。最終的に破産申請に至った。ルビオズ・コースタル・グリルもカリフォルニア州の最低賃金引き上げや原材料費の高騰などで経営悪化。2020年に続き2度目の破産申請。明るい兆しも見え始めている。2023年の食費のうち、外食に費やす割合は55.7%に達し、これはコロナ禍前の2019年を上回る水準。低所得者層では外食を控える動きも見られるものの、市場全体としてはコロナ禍で離れた消費者が戻ってきている傾向が見られる。9月のコンファレンス・ボードの調査でも、外食や旅行に対する消費者の関心が依然として高いことが示されている。また、フードサービス業界は全米の労働市場の約10%を占めているが、9月の雇用統計では同業界が就業者数の増加を牽引。通常レストランは営業準備に約3か月を有するため9月の雇用急増は消費者信頼感の改善をうけ、来年に向けたビジネスの準備としてスタッフを増強している可能性もあるとの指摘もある。今後、段階的な利下げによる企業の債務負担の軽減が追い風となり、企業全体が回復トレンドに向かうのか注目している」などと述べた。