日本の三菱電機と台湾の鴻海精密工業が、EV(電気自動車)の中核部品の開発に関する共同記者会見を行った。世界中の電子機器の製造を請け負う巨人が、なぜ日本の電機メーカーと組むのか、その狙いを取材した。三菱電機の本社で行われた記者会見。そこに姿を現したのは鴻海精密工業の最高戦略責任者の関潤。自動車の電子機器を手掛ける三菱電機モビリティの株式50%を約1150億円で取得。兵庫県にある三菱の2つの工場で、次世代EV向けのプラットフォーム開発を進める。鴻海といえばiPhoneなど電子機器の製造を請け負い、売上高は約41兆円を誇る巨大企業。2019年にはEV開発への参入を表明。三菱電機と組む狙いについて、関潤氏は「われわれは自動車の顧客基盤がまだ弱い。信用されていない。いま自動車業界が目指すADAS(先進運転支援システム)やSDV(ソフトウエア定義車両)の技術を潤沢に持っているところが一番の魅了」と話す。EVの核となるモーターやインバーター、自動運転技術を持つ三菱電機と組むことで、競争力を引き上げたい考え。一方、三菱電機もグループ全体の構造改革を進める中で、収益性の低い自動車機器事業の再編が課題になっていた。鴻海の部材調達力、開発スピードを取り入れ、国内外の自動車メーカーへの供給を拡大し、2030年度に売上高1兆円を目指す。ただ鴻海と日本企業といえば2016年、シャープを買収したものの想定された成果は見えていない。今回の連携ではあくまで業務を実行するのは三菱電機で、鴻海は黒子に徹するとしている。
