ゴミ収集車による回収を辞め、住民が自分で集積所までゴミを運ぶ自治体がフランスで増えている。自治体が辞めた理由は予算が確保できないから。一方で不便になった住民は「ニオイがひどい」「集積場の衛生状態が悪化している」などと訴えている。男性が住む地区では約2年前からゴミを集めるトラックが来なくなった。住民はカードを使って開閉できる収集ボックスが設置されており、いつでも使用可能。公共サービスは1つ減るが、住民の仕事が増える。ゴミの処分にかかるサービス税は下がるどころか逆に新しいシステムを導入したことで過去2年で15%も増加した。100キロ離れた場所でも同じシステムが導入されているが、収集ボックスを開く回数にも上限が設けられている。ある夫婦は年間の上限が26回のため15日おきにしかゴミを捨てられない。ゴミの量そのものを減らすのが目的だが、「努力しても報われないシステム」と住民は不満を漏らす。SNSではゴミが放置された収集所やうんざりしている住民の映像が度々見られる。住民の問題なのかシステムに問題があるのか。料金は上がる一方でシステムも問題だらけだが、自治体は「予算を考えるとこの方法しかない」と話す。