石破総理大臣は、ブラジルで開かれているG20首脳会議に出席している。初日の国際秩序がテーマの会合では、各国の利害が対立するウクライナや中東情勢を巡って、一致点を見いだす調整が続いている。石破総理は、ロシアによるウクライナ侵攻について「法の支配に対する明確な挑戦」と批判し、北朝鮮との軍事協力について「深刻な懸念」を表明。中東情勢については、危機的な人道状況に「強い懸念」を表明し、ガザでの停戦と人質解放など国際法の順守を強く求めたとみられる。また、石破総理は“G20は気候変動対策と経済成長、エネルギー安全保障の同時実現に責任を有する”と強調し、温室効果ガス削減を訴えた。ただ、これらについては日本などのG7と習主席が出席した中国やラブロフ外相が出席したロシア、他の新興国との間で隔たりがあり、一致点を見いだせるか不透明。初日の記念撮影では、米国・バイデン大統領が間に合わないハプニングもあった。年明けには米国第一で二国間外交を重視するトランプ政権が復活するが、それを前にG20が多国間で協調し、課題を解決する前向きなメッセージを出せるか議論が続いている。