東京理科大学の若林秀樹氏が半導体の再興戦略を読み解く。半導体の市場規模は拡大を続けている。最先端のロジック半導体は細かく複雑な配線パターンが爪の先ほどのチップに描かれ黒いパッケージに覆われている。このチップを作るには数兆円の設備投資が必要になり、赤字の時にこそ設備投資をしなければならないなど経営判断が難しい。日本の半導体産業は画像センサーやNANDフラッシュメモリーなどの分野、製造装置と材料はいまだに世界トップ級となっている。日本はかつてDRAMの分野で世界を席巻していたが撤退。他方、ロジックは元々強くなかったが90年代後半からの水平分業の流れに遅れた。
逆風だった日本の半導体デバイス産業にとって、50年に1度というべき3つのチャンスが到来している。第1は米中対立や地政学リスクの中でサプライチェーン変革、第2は日米連携の中でモノづくりへの期待、第3は技術トレンドの変化。こうした追い風を元に、政府は3つのステップで半導体戦略を策定。半導体の生産基盤の強化、日米連携で次世代半導体技術の習得、グローバルな連携強化による光電融合技術などの実現の3つ。今回は国際連携も進み、内外のユーザのサプライチェーン対応、国家安全保障の対応がある。50年に1度の追い風の今、日本が世界に誇れるための国家プロジェクトとなっている。
逆風だった日本の半導体デバイス産業にとって、50年に1度というべき3つのチャンスが到来している。第1は米中対立や地政学リスクの中でサプライチェーン変革、第2は日米連携の中でモノづくりへの期待、第3は技術トレンドの変化。こうした追い風を元に、政府は3つのステップで半導体戦略を策定。半導体の生産基盤の強化、日米連携で次世代半導体技術の習得、グローバルな連携強化による光電融合技術などの実現の3つ。今回は国際連携も進み、内外のユーザのサプライチェーン対応、国家安全保障の対応がある。50年に1度の追い風の今、日本が世界に誇れるための国家プロジェクトとなっている。