きょうの為替の見通しについて、大和アセットマネジメント・岩手幸久が電話で解説。予想レンジは149.00円~151.00円。昨日のドル円は、アメリカの相互関税を巡る報道を受け値動きの荒い展開となった。本日は日銀短観の発表があり、企業の3年後や5年後の物価見通しが高まれば円高に振れる一方、アメリカのISM製造業景気指数などが底堅い結果となれば、ドル高にふれる可能性がある。相互関税の発動を前に今日もボラタイルな展開を想定する。注目ポイントは、オーストラリア中銀理事会。RBA(オーストラリア準備銀行)は、前回2月会合で利下げに踏み切った。市場が想定している年内2回の利下げなどを前提にすると、インフレ率が目標レンジ中心の2.5%を上回り続けるとの見通しを示し、市場の過度な利下げ基調をけん制した。今会合は市場予想通りの政策金利据え置きが濃厚だが、引き続きRBAは市場の想定より追加利下げに慎重な姿勢を示すと考える。オーストラリアはアメリカ向けの輸出が少なく、トランプ関税の直接的な影響が小さいとされるほか、利下げ開始効果もあり消費者センチメントが改善傾向にある。今後の個人消費回復を示唆する。世界経済減速の間接的な影響には注意だが、オーストラリアの景気モメンタムが上向いていることは、RBAの追加利下げを市長にさせる要因と言える。今後のオーストラリアドル相場について。大和アセットマネジメントでは、オーストラリアの利下げを市場予想よりも少ない年内1回と予想。アメリカの利下げは年内2回と予想しており、その通りになるとオーストラリアとアメリカの金利差は、ゼロに近づく。また、トランプ関税は、4月2日で材料出尽くしとはならないまでも標的となる国や品目が明らかになり、各国との交渉がよりフォーカスされることで世界的なリスク回避姿勢はピークアウトする可能性が考えられる。今年は豪ドル高が進む余地は大きいと考えてる。