日本人の2人に1人がかかるがん。10年ほど前から画期的な新薬が次々と登場する一方で、薬剤費は高額となり、年間1000万円以上かかるケースも少なくない。薬剤費は保険料や税金で賄われており、私たちの負担は一定額に抑えられている。ただ、医療費は年々増加して、公的な医療保険の制度が持続できるのか、懸念されている。こうした中、全国のがん専門医らで作るグループが、がんの薬剤費について大規模な実態調査の結果を初めてまとめた。大腸がんや肺がんなどに使われるがん治療薬。全国のがんの専門医らで作るグループ・JCOGは、17種類のがんの治療で使われる薬剤の使用実態を調べた。のべ300以上の病院の1万5000人余り、最も進行したステージ4の患者が対象となった。結果、1か月あたり59%の患者で50万円以上、17%の患者で100万円以上の治療を受けていることが分かった。この10年ほどで画期的な新薬が次々に登場。薬剤費が急激に増加した。新薬が登場する前と現在行われている治療を比較すると、薬剤費は10倍から50倍と、高額になっていることも明らかになった。このうち、胃がんでは67%の患者で新しい薬剤が処方されていた。日本人で発症する人が最も多い大腸がんでは78%の患者で、日本人で最も死亡者数が多い肺がんでは56%の患者で新しい薬剤が処方されていた。1か月当たりの薬剤費は胃がんで従来より20倍以上高くなっていて約77万円、大腸がんで従来より4倍から40倍高く、最も高いもので84万円。肺がんで従来より34倍から55倍高く、最も高いもので138万円だった。
住所: 東京都中央区築地5-1-1
URL: http://www.jcog.jp/
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