火曜日、1か月半ぶりに兵庫県庁に戻った斎藤知事。出迎えたのは、職員よりも支持者の姿が目立った。そもそも出直し選挙に至るきっかけはパワハラの告発だった。職員へのアンケート調査ではパワハラを見聞きしたとする回答が4割に。こうした状況を受け、設置された百条委員会で斎藤知事は「自分が行った行為で不快に思われた人がいるならそこは本当にお詫びしたい」とコメント。一方で、パワハラを告発した職員を探し、懲戒処分にした対応については問題はないと主張。百条委員会での実態解明が続く中、県議会では全会一致で不信任が可決され、失職していた。出直し選挙への出馬を表明し、街頭に立った斎藤氏。当初は足を止める人もまばらだったが、選挙戦終盤の街頭演説には大勢の支持者らが詰めかけた。大きく流れを変えたのがSNSだった。影響が大きかったのが自身のYouTubeチャンネルに多くの登録者を持つNHK党の党首・立花孝志氏。今回の知事選に自身も立候補しながら当選は目指さず、斎藤氏のパワハラを否定する演説を繰り返し、動画を次々と投稿。JX通信社代表取締役・米重克洋氏は「立花氏の語る『真相』に有権者が興味を示し、それが斎藤さんへの投票に繋がっていた」と指摘。そして「パワハラはなかった」「おねだりはデマ」といった投稿が支持者らのSNSによって広く拡散されていった。明らかに不正確な情報も広がった。1000万回以上閲覧されたのが、公約の実現率が98.8%という投稿。この公約については7月、斎藤知事が「選挙時に掲げた公約が全体で173項目。そのうち一定(程度)達成・着手した状況は171項目、98.8%」と話していた。実査は「一定程度達成した」「着手した」項目が98.8%だったのが、いつの間にか「実現した」公約が98.8%とされた。SNSからの情報が大きなうねりとなった今回の選挙戦。その後、対立候補の陣営から刑事告訴の動きがあるなど波紋が広がっている。
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