教育現場で教師に対する保護者からの理不尽なクレームが問題となる中、全国で初めて民間のコールセンターが保護者からの電話を受け付けるという新たな取り組みが始まった。「子どもが学校でのストレスで家の壁を蹴って穴を開けた」、「お前たちの時給なんて2000円もないんだろ?」と現役教師が受けた保護者からのクレーム。教職員にとって保護者から受ける連絡への対応が負担となり、業務時間が長引く一因にもなっている。静岡県裾野市は全国に先駆け、今月から保護者などからの電話対応を民間のコールセンターに委託する実証事業を開始した。市内すべての公立小・中学校が対象。電話を受けるのは神奈川県横浜市のコールセンター。個人情報を取り扱うためセキュリティが非常に厳しいという。電話のほか、LINEやメールなどでも相談を受け付ける。内容によっては法律の専門家やカウンセラーなどが対応する。民間のコールセンターを活用するメリットについてトランスコスモスデジタルカスタマーコミュニケーション総括・森本部長は「我々のような事業者を通すことですべてデータ化されていく」などと述べた。市民からは賛否の声が上がっている。裾野市立富岡第一小学校・井上教頭は「専門的な知識やデータベースをもとに対応してもらえることが今後期待される」とコメントした。実証事業は来年1月末まで行われ、今後、全国の公立学校でも導入するかどうか検討する材料の1つにする。
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