ニッセイ基礎研究所・井出さんは日経平均予想レンジを38,200円~38,500円とし、「アメリカ市場は小動きだった。きょうはエヌビディアの決算を控えているので様子見ムードが強まりそうだと思う」と話した。注目ポイントには「慎重姿勢の業績予想」と挙げ、「第1四半期決算の時に通期の予想純利益を上方修正した企業の割合が過去10年間の平均が約9%だったのに対し、今年度は13%と例年の1.5倍以上だった。これを受け、中間決算のときにも例年より多くの企業が上方修正すると期待されたが、結果は33%にとどまり例年より少し少なかった。これが市場心理の重しにもなっていると思う。純利益の合計額を見てみると、会社予想は3.1%マイナスなのに対し、市場予想だと2.8%増と真逆。背景には鈍化傾向が続く中国経済や、アメリカ経済の先行き不透明感、為替相場の不安定さなどがあると思うが、会社側が慎重姿勢を崩せずにいるんじゃないかと思っている。年度末にかけて上振れは期待して良いと思う。純利益が中間決算時点の予想から期末の実績にかけて上振れした企業は昨年度まで10年間の平均で約65%だった。グローバル経済の失速や急激な円高などが起きない限り、少なくとも例年以上の企業が上方修正するとみて良いと思う。市場予想ベースをもとに計算するとPERが直近と同じ15.7倍でも4万円を超える。仮に16倍まで市場心理が改善すれば4万1,000円を超えるという計算になる。トランプ政権は1月20日にスタートし、その後100日間の”ハネムーン期間”中には4万円を超える回復を期待して良いと思っている」と話した。