藤本は調査のためOSO18の射殺現場へと向かった。6月24日に牛を襲撃し、7月30日に射殺されるまでの間に何があったのかを調べると詳細な足取りがわかってきた。牛が襲われた日の朝、現場から2kmの地点でOSO18とみられるヒグマの目撃者がいた。翌日には南に8kmの地点でカメラに映っていたこともわかった。しかしOSO18は例年の行動圏を移動しながらも何故か牛を襲っていなかった。謎を解く手がかりが森に設置されたカメラに残されていた。カメラは子連れのメスグマの姿を捉えており、メスグマを求めたのか少なくとも6頭の大型のオスがOSO18の行動圏を徘徊していた。こうしたオスグマから逃れるためなのかOSO18は南へと移動していた。