続々と高学歴のエリートたちが入信し、組織としての力を強めていったオウム真理教。一連の事件の裁判で、証人や鑑定人も務めた立正大学心理学部・西田公昭教授は、彼らが教団に引き込まれていった背景を「高学歴の人は、自分の人生を社会に役立てたいという純粋な気持ちがありながら、まじめで頑張ろうという人ほど、そこの重圧に耐えられなくなったりする。表舞台的には、お金さえあれば幸せになれるといわれてきた時代だった。お金ではない自分の幸せはどこにあるのだろうと、そこをあおったのが麻原」と分析する。エリートたちは一般社会と切り離され、自発的な思考を停止するようマインドコントロールされていったという。世紀末への不安を煽る教祖の話を鵜呑みにして、信者たちは暴走していった。西田教授は「高学歴の人で結構信じている人はいる。私たちも陰謀論の研究をしているが、反ワクチンの話は50代60代が一番引っかかっていたりする」と説明。
インターネットなどで陰謀論やフェイクニュースが飛び交う現代社会の状況は、30年前よりも危険度が増していると、西田氏は警鐘を鳴らす。立正大学心理学部・西田公昭教授は「あのオウムの時代は、インターネット情報というのはほとんどなかった。いまは自分自身で客観的に調べているつもりが、実は溺れてしまって、迷い込んでしまっている人が多い」と指摘。アメリカでは極端な陰謀論を唱える「Qアノン」が、社会に混乱を引き起こす事態も起きている。
インターネットなどで陰謀論やフェイクニュースが飛び交う現代社会の状況は、30年前よりも危険度が増していると、西田氏は警鐘を鳴らす。立正大学心理学部・西田公昭教授は「あのオウムの時代は、インターネット情報というのはほとんどなかった。いまは自分自身で客観的に調べているつもりが、実は溺れてしまって、迷い込んでしまっている人が多い」と指摘。アメリカでは極端な陰謀論を唱える「Qアノン」が、社会に混乱を引き起こす事態も起きている。