尾身茂氏は1100日に及んだ新型コロナとの闘いを振り返り、コロナ禍では検査体制の強化、拡充を繰り返し政府に訴えていた。また、感染拡大がみられると、医療提供体制の逼迫が懸念されるため、人々に行動制限を促すなど、先を見据えた提言をしてきたという。欧米諸国では新型コロナの死亡者数が20年、21年に多くを占めた一方、日本では三密対策などに多くの国民が協力してくれ、低く抑えられた。尾身氏は今後、別のウイルスによる感染拡大は十分に有り得ることだとして、感染症の危機に強い社会とする上で、「必要な疫学情報の共有」、「産官学の連携強化」、「国と自治体の役割、責任の明確化」、「市民や行政、医療機関との間で双方向のコミュニケーションが必要」などを重要視している。