新薬の開発を巡っては、新型コロナの感染拡大時に治療薬やワクチンの開発で海外に後れを取ったことなどを踏まえ、国内での開発力の強化が課題となっている。政府の有識者らによる会議は、日本を世界と肩を並べる「創薬の地」とし、難病の患者などに速やかに治療薬を届けることを目指すなどとした戦略の案をまとめた。この中では、国内外から人材や資金を呼び込んで研究開発の環境整備や研究者の育成を進めるとともに、外資系企業も参加する官民の協議会を設置するとしている。また、患者の数が少なく見送られることが多い、小児用や難病の治療薬の開発を国が後押しするほか、海外で使われている薬が国内で使えない状況を解消するため、規制の見直しなどを進めることも盛り込んでいる。政府の会議は近くこの戦略を正式に決定し、ことしの経済財政運営の基本方針いわゆる「骨太の方針」に反映させたいとしている。